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2025年 2月12日 : 南大阪法律事務所 スタッフ

私は拒んだのに… 裁判所が“口止め”…

当事務所の西川大史弁護士が担当した事件が、MBSニュースで紹介されました。

MBSニュース
私は拒んだのに… 裁判所が“口止め” 残業代未払いめぐるトラブルで労働審判官が「口外禁止条項」付ける 裁判へ移行し「口外禁止」取り除く形で和解 大阪地裁

口外禁止を命じた労働審判

 本件は、高石市社会福祉協議会で働く女性が未払の残業代等を請求した事案です。女性は、大阪地裁に労働審判を申し立てたところ、労働審判委員会からは、高石社協が女性に対して解決金を支払うとの調停案の提案があったのですが、高石社協は、口外禁止条項を要望しました。女性としては、他の従業員に対しても残業代が未払となっている可能性が高く、口外禁止条項が付されたのでは高石社協が違法行為を是正しないと考え、口外禁止を拒否していました。ところが、労働審判委員会は、女性の意思に反して、「本件に至る経緯及び本件手続の内容(本件手続が審判により終了したことは除く。)を正当な理由なく第三者に口外しないことを相互に約束する。」として、口外禁止条項を含む労働審判をしました。

口外禁止の問題点

 当事者の意思に反して口外禁止義務を負わせる法的根拠はありません。口外禁止条項は裁判所による「口封じ」でしかなく、表現の自由を侵害するものです。
 口外禁止条項が付されたのでは、使用者による違法行為是正の可能性は低く、違法行為を助長させることになりかねません。

和解内容~高石社協のすべての職員に残業代を!

 女性は、労働審判に異議を申し立て裁判に至り、2025年2月4日、和解が成立しました。
 主な和解内容は、

  • 高石社協が女性に対して、解決金を支払う。
  • 高石社協は、現在雇用している職員の賃金について労働基準法に従って支払うことを約束する。

というもので、口外禁止条項はありません。
 高石社協がすべての職員の賃金について労働基準法に従って支払うことを約束したことは重要な意義があります。女性が強く願っていたのは、違法行為の是正、職場環境の改善でした。自分だけ残業代が支払われればよいというのではなく、すべての職員に対してきちんと残業代を支払ってほしいということでした。

労働問題でお困りの方へ

 残業代未払、解雇・雇止め、ハラスメントなど、労働問題でお困りの方は多いでしょう。当事務所ではこれまでに多くの労働問題を取り扱ってきました。大企業相手であっても難しい事件であっても屈することなく闘ってきました。安易な口外禁止に応じることもしません。
 労働問題でお困りの方は、ご相談ください。

南大阪法律事務所 スタッフ