2024年 3月22日 : 南大阪法律事務所 弁護士:西川 大史 カスタマーハラスメント(カスハラ)について カスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題となっています。 厚生労働省は2023年9月に「心理的負荷による精神障害の認定基準」を改正し、カスハラが新たに労災認定の基準に追加されました。また、地方自治体では、カスハラを防止するための条例の制定に向けての動きも活発になっています。 カスハラとは? 厚生労働省が作成した「カスタマーハラスメント対策マニュアル」では、カスハラとは、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの。」と定義されています。 つまり、顧客や取引先などからのクレームすべてがカスハラというわけではなく、 ①クレームの内容が妥当性を欠くもの②クレームに関する要求を実現するための手段・態様が不相当であるもの これら①や②がカスハラに該当するとされています。 カスハラの具体例 まず、①クレームの内容が妥当性を欠く場合の例としては、企業が提供する商品やサービスに誤りが認められない場合や、要求内容が企業の提供する商品やサービスの内容と無関係の場合についてのクレームが挙げられます。たとえば、飲食店において、注文どおりの料理を提供したにもかかわらず、「注文した料理と違う」「代金を支払わない」といったクレームなどです。 また、②手段や態様が不相当なものとしては、身体的な攻撃(暴行、傷害など)、精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言など)、威圧的な言動、土下座の要求、執拗な言動、差別的な言動などがカスハラだと言われています。たとえば、飲食店において、注文と異なる料理を提供してしまった場合に、従業員に対して暴行を加えたり、繰り返し暴言を浴びせたりすることなどです。 カスハラの責任 カスハラを受けた企業や従業員は、カスハラを行った者に対して、民事上、損害賠償請求をすることができます。また、カスハラには、傷害罪、暴行罪、脅迫罪、強要罪、名誉毀損罪、侮辱罪、威力業務妨害、その他軽犯罪法違反などの犯罪が成立する場合もあります。 昨今、多くの企業がカスハラ被害に苦しんでいると言われています。カスハラ行為者への対応、責任追及など、企業独自で対応することは大変ですし、業務に支障を来します。カスハラ対応は精神的にも疲弊します。当事務所では、カスハラをはじめとするさまざまなハラスメント対応について豊富な経験があります。カスハラでお困りの方は南大阪法律事務所までご相談ください。 南大阪法律事務所 弁護士:西川 大史 日日是修行 弁護士コラム一覧 カスタマーハラスメント(カスハラ)と企業の責任
カスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題となっています。 厚生労働省は2023年9月に「心理的負荷による精神障害の認定基準」を改正し、カスハラが新たに労災認定の基準に追加されました。また、地方自治体では、カスハラを防止するための条例の制定に向けての動きも活発になっています。
カスハラとは?
厚生労働省が作成した「カスタマーハラスメント対策マニュアル」では、カスハラとは、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの。」と定義されています。
つまり、顧客や取引先などからのクレームすべてがカスハラというわけではなく、
①クレームの内容が妥当性を欠くもの
②クレームに関する要求を実現するための手段・態様が不相当であるもの
これら①や②がカスハラに該当するとされています。
カスハラの具体例
まず、①クレームの内容が妥当性を欠く場合の例としては、企業が提供する商品やサービスに誤りが認められない場合や、要求内容が企業の提供する商品やサービスの内容と無関係の場合についてのクレームが挙げられます。たとえば、飲食店において、注文どおりの料理を提供したにもかかわらず、「注文した料理と違う」「代金を支払わない」といったクレームなどです。
また、②手段や態様が不相当なものとしては、身体的な攻撃(暴行、傷害など)、精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言など)、威圧的な言動、土下座の要求、執拗な言動、差別的な言動などがカスハラだと言われています。たとえば、飲食店において、注文と異なる料理を提供してしまった場合に、従業員に対して暴行を加えたり、繰り返し暴言を浴びせたりすることなどです。
カスハラの責任
カスハラを受けた企業や従業員は、カスハラを行った者に対して、民事上、損害賠償請求をすることができます。また、カスハラには、傷害罪、暴行罪、脅迫罪、強要罪、名誉毀損罪、侮辱罪、威力業務妨害、その他軽犯罪法違反などの犯罪が成立する場合もあります。
昨今、多くの企業がカスハラ被害に苦しんでいると言われています。カスハラ行為者への対応、責任追及など、企業独自で対応することは大変ですし、業務に支障を来します。カスハラ対応は精神的にも疲弊します。当事務所では、カスハラをはじめとするさまざまなハラスメント対応について豊富な経験があります。カスハラでお困りの方は南大阪法律事務所までご相談ください。
南大阪法律事務所 弁護士:西川 大史