2024年 3月15日 : 南大阪法律事務所 弁護士:西川 大史 年度末に急増する解雇・雇止めにご注意! 「年度末」を理由に解雇や雇止めはできない! 毎年、年度末には、解雇や雇止めなどの労働に関するトラブルが急増し、当事務所にも多くの労働相談が寄せられます。もちろん、年度末だからという理由だけで、解雇や雇止めが有効となるものではありません。 解雇には合理的理由が必要! 解雇が有効となるためには、客観的に合理的な理由が必要であり、社会通念上相当でなければなりません。 たとえば、能力不足を理由とする解雇であっても、雇用関係が維持できないほどの重大な能力不足があり、改善の見込みがないといえなければ解雇は無効となります。裁判例では、相対評価による成績が低く平均的な水準に達していなかったとしても直ちに解雇が有効となるわけではないと判断するものもあります(セガ・エンタープライゼス事件・東京地裁H11.10.15決定など)。 また、会社の経営悪化を理由とする解雇であっても、①解雇による人員削減の必要があること、②解雇を回避するための努力を尽くしたこと(希望退職の募集など)、③解雇対象者の人選基準が妥当であること、④解雇の手続が相当であることが必要です。 契約期間満了を理由とする雇止めにも注意! 年度末には、労働契約に期間の定めのある非正規労働者に対して、契約期間満了を理由に、雇止めを通告されることも多いでしょう。しかし、労働契約に期間の定めがあったとしても、労働契約の更新が繰り返されて労働契約の更新に合理的な期待が認められる場合には、契約期間満了を理由に雇止めすることは許されません。労働契約の更新を拒否することについて客観的に合理的な理由があり、社会的通念上相当でなければなりません。 同じ会社で通算して5年以上働いていれば、労働契約の期間が定められていない無期労働契約への転換を申し込むこともできます。 退職合意書へのサインをしてはいけない! 最近は、会社から、解雇や雇止めを通知するときに、労働者に対して退職合意書へのサインを求めるケースも増えています。労働者が退職に合意していることを証拠として残すことを狙ったものです。解雇や雇止めに納得できない場合にはサインをしてはいけません。 年度末には、会社からの退職勧奨も増えます。退職勧奨に納得いかない場合にはきっぱりと拒否することが大切ですし、退職合意にサインをしてはなりません。長時間や多数回の退職勧奨などは違法となりますので、録音して証拠を残しておくことも重要です。 早めにご相談ください 当事務所は、労働事件についての経験が豊富で、正社員への解雇、非正規労働者への雇止めなどについて、交渉、労働審判、裁判などの方法により迅速・適正に解決してきました。当事務所の弁護士が担当した労働事件は、「労働判例」(発刊:産労総合研究所)という法律雑誌に掲載されているものも少なくなく、メディアで取り上げらたこともあります。 解雇・雇止めなどの労働問題にお困りの方は、南大阪法律事務所までなるべく早くご相談ください。 南大阪法律事務所 弁護士:西川 大史 南大阪法律事務所への案内マップ お知らせ一覧 2024年4月から相続登記が義務化されます
「年度末」を理由に解雇や雇止めはできない!
毎年、年度末には、解雇や雇止めなどの労働に関するトラブルが急増し、当事務所にも多くの労働相談が寄せられます。もちろん、年度末だからという理由だけで、解雇や雇止めが有効となるものではありません。
解雇には合理的理由が必要!
解雇が有効となるためには、客観的に合理的な理由が必要であり、社会通念上相当でなければなりません。
たとえば、能力不足を理由とする解雇であっても、雇用関係が維持できないほどの重大な能力不足があり、改善の見込みがないといえなければ解雇は無効となります。裁判例では、相対評価による成績が低く平均的な水準に達していなかったとしても直ちに解雇が有効となるわけではないと判断するものもあります(セガ・エンタープライゼス事件・東京地裁H11.10.15決定など)。
また、会社の経営悪化を理由とする解雇であっても、①解雇による人員削減の必要があること、②解雇を回避するための努力を尽くしたこと(希望退職の募集など)、③解雇対象者の人選基準が妥当であること、④解雇の手続が相当であることが必要です。
契約期間満了を理由とする雇止めにも注意!
年度末には、労働契約に期間の定めのある非正規労働者に対して、契約期間満了を理由に、雇止めを通告されることも多いでしょう。しかし、労働契約に期間の定めがあったとしても、労働契約の更新が繰り返されて労働契約の更新に合理的な期待が認められる場合には、契約期間満了を理由に雇止めすることは許されません。労働契約の更新を拒否することについて客観的に合理的な理由があり、社会的通念上相当でなければなりません。
同じ会社で通算して5年以上働いていれば、労働契約の期間が定められていない無期労働契約への転換を申し込むこともできます。
退職合意書へのサインをしてはいけない!
最近は、会社から、解雇や雇止めを通知するときに、労働者に対して退職合意書へのサインを求めるケースも増えています。労働者が退職に合意していることを証拠として残すことを狙ったものです。解雇や雇止めに納得できない場合にはサインをしてはいけません。
年度末には、会社からの退職勧奨も増えます。退職勧奨に納得いかない場合にはきっぱりと拒否することが大切ですし、退職合意にサインをしてはなりません。長時間や多数回の退職勧奨などは違法となりますので、録音して証拠を残しておくことも重要です。
早めにご相談ください
当事務所は、労働事件についての経験が豊富で、正社員への解雇、非正規労働者への雇止めなどについて、交渉、労働審判、裁判などの方法により迅速・適正に解決してきました。当事務所の弁護士が担当した労働事件は、「労働判例」(発刊:産労総合研究所)という法律雑誌に掲載されているものも少なくなく、メディアで取り上げらたこともあります。
解雇・雇止めなどの労働問題にお困りの方は、南大阪法律事務所までなるべく早くご相談ください。
南大阪法律事務所 弁護士:西川 大史