相続問題 事例掲載日:2021年 4月12日 配偶者居住権 夫が亡くなった後も、夫名義の家に住み続けたい 質問・概要 先日、夫が亡くなりました。夫の相続人は妻である私と、息子だけです。夫の遺産としては、自宅(評価1000万円)と預貯金(600万円)があります。 私は、引き続き、夫名義の自宅に住み続けたいのですが、そうすると遺産分割により、息子にいくらか支払わないといけないのでしょうか。 解答・対応 相続人が妻と子の場合、それぞれの相続割合は2分の1ずつです。ご主人の遺産は、自宅(評価1000万円)と預貯金(600万円)ということであれば、金銭換算すると1600万円の評価になりますので、それぞれ800万円ずつ相続することになります。仮に、自宅を相続すると、1000万円を相続したことになり、息子さんの相続分が600万円になるので、妻から息子に代償金として200万円を支払わなければならないことになります。 しかし、このような相続となってしまうと、たとえば、高齢の配偶者は、住み慣れた居住環境での生活を希望すれば、それ以外の財産を取得できない、あるいは他の相続人に代償金を支払わないといけないことになり、今後の生活に支障を来すことにもなりかねません。そこで、現在は民法が改正され、2020年4月1日以降の相続については、配偶者居住権という制度が認められるようになりました。 配偶者居住権というのは、たとえば夫が亡くなったときに、妻が夫所有の建物に住んでいた場合に、妻は、遺産分割により、妻が亡くなるまでの間、あるいは一定の期間、夫名義の建物に無償で住み続けることができるという権利です。 建物を相続して所有権を取得するわけではないので、配偶者居住権の評価額は低くなり、たとえば1000万円の評価の建物であっても、配偶者居住権の評価は500万円となることもありうるでしょう。そのため、妻は、夫名義の建物に引き続き居住することができ、かつ預貯金もいくらか相続することができることもあります。 配偶者居住権は制度が複雑ですし、どのように評価するかという問題もあります。遺産分割において配偶者居住権を希望されている方は、南大阪法律事務所にご相談ください。 南大阪法律事務所 —《 その他の法律相談事例 》— 亡くなった夫の預金から生活費を引き出すことはできるのか? 相続問題の事例一覧 配偶者短期居住権 夫が亡くなった後も、夫名義の家にしばらく住みたい
質問・概要
先日、夫が亡くなりました。夫の相続人は妻である私と、息子だけです。夫の遺産としては、自宅(評価1000万円)と預貯金(600万円)があります。
私は、引き続き、夫名義の自宅に住み続けたいのですが、そうすると遺産分割により、息子にいくらか支払わないといけないのでしょうか。
解答・対応
相続人が妻と子の場合、それぞれの相続割合は2分の1ずつです。ご主人の遺産は、自宅(評価1000万円)と預貯金(600万円)ということであれば、金銭換算すると1600万円の評価になりますので、それぞれ800万円ずつ相続することになります。仮に、自宅を相続すると、1000万円を相続したことになり、息子さんの相続分が600万円になるので、妻から息子に代償金として200万円を支払わなければならないことになります。
しかし、このような相続となってしまうと、たとえば、高齢の配偶者は、住み慣れた居住環境での生活を希望すれば、それ以外の財産を取得できない、あるいは他の相続人に代償金を支払わないといけないことになり、今後の生活に支障を来すことにもなりかねません。そこで、現在は民法が改正され、2020年4月1日以降の相続については、配偶者居住権という制度が認められるようになりました。
配偶者居住権というのは、たとえば夫が亡くなったときに、妻が夫所有の建物に住んでいた場合に、妻は、遺産分割により、妻が亡くなるまでの間、あるいは一定の期間、夫名義の建物に無償で住み続けることができるという権利です。
建物を相続して所有権を取得するわけではないので、配偶者居住権の評価額は低くなり、たとえば1000万円の評価の建物であっても、配偶者居住権の評価は500万円となることもありうるでしょう。そのため、妻は、夫名義の建物に引き続き居住することができ、かつ預貯金もいくらか相続することができることもあります。
配偶者居住権は制度が複雑ですし、どのように評価するかという問題もあります。遺産分割において配偶者居住権を希望されている方は、南大阪法律事務所にご相談ください。
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