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2021年 10月1日 :
南大阪法律事務所 弁護士:西川 大史

成人年齢が「20歳」から「18歳」に引き下げられます

民法改正~「18歳」から成人に!

日本では、成人年齢は20歳と民法で定められています。ところが、民法が改正され、2022年4月1日から、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。2022年4月1日の時点で18歳、19歳の方は、2022年4月1日に成人となります。
諸外国でも成人年齢を18歳とする国が主流となっています。

民法改正、18歳から成人に

成人年齢の引き下げで何が変わるの?

民法では、未成年者は単独で法律行為をすることができないと定めされています。つまり、未成年者が契約などをするには、親権者の同意が必要とされており、親権者の同意なしに締結した契約は取り消すことができます。今後、成人年齢が引き下げられることにより、18歳以上であれば、親権者の同意なしに、自分の意思で、マンションやアパートを借りる、アルバイトをする、クレジットカードを作るなど、さまざまな契約ができるようになります。

もっとも、18歳以上の方が契約を締結した場合には、今後、未成年者であることを理由として契約を取り消すことができません。自分自身が、契約を締結したことに対しての責任を負わなければなりません。そのためには、契約のルールや法的な知識をしっかりと身につけておくことが大切です。

成人年齢が引き下げられる2022年4月以降に、18歳以上の方に関わりそうな法律問題についてQ&Aを作成しましたので、ご参考にしてください。


【賃貸借契約の締結】

Q:
18歳の大学生です。実家から大学に通学していますが、通学時間が片道2時間と大変です。親が一人暮らしをすることに反対しているのですが、大学の近くのアパートを借りることはできますか?

賃貸借契約の締結

A:
2022年4月1日以降、成人年齢の引き下げにより、18歳であっても、親の同意なしに自分一人で賃貸借契約を締結することができます。

もっとも、通常、賃貸借契約の締結にあたっては、保証人を求められることが多いでしょうし、毎月の家賃の支払、敷金や保証金などを親にお願いすることもあるでしょう。そういう意味では現実的には、親と無関係に賃貸借契約を締結することができるというわけでないことが多いのではないでしょうか。


【労働契約の締結】

Q:
18歳の高校生です。夏休みにアルバイトをしたいのに、両親が反対しています。アルバイトをすることができないのでしょうか。

労働契約の締結

A:
2022年4月1日以降、成人年齢の引き下げにより、18歳であっても、親の同意なしに自分一人でアルバイト先を探してきて、労働契約を締結して、アルバイトをすることができます。

もっとも、企業によっては、身元保証として親のサインを求めることもありますので、そういった場合には親の協力が必要になります。
また、労働契約の内容は複雑です。世の中には、労働法を守らないブラック企業もあります。たとえば、給料が最低賃金を下回っていないか、労働時間数が労働基準法の制限を上回っていないかなどを確認する必要がありますので、経験豊富な大人の方からアドバイスをもらうことも有益でしょう。


【クレジットカードの作成】

Q:
18歳の大学生です。クレジットカードを作成したいのですが、親の同意なしにクレジットカードを作成することができますか。

クレジットカードの作成

A:
2022年4月1日以降、成人年齢の引き下げにより、18歳であっても、親の同意なしに自分一人でクレジットカードを作成することはできます。

もっとも、クレジットカードを作成するには、安定した収入がなければ審査が通らず、作成できないこともあるので、ご注意ください。
また、クレジットカードを作成することができたとしても、収入の範囲内で計画的に利用しないと、負債が増えて返済で苦労して、親に迷惑をかけることもありますので、ご注意ください。


【訴訟の提起】

Q:
18歳の大学生です。アルバイト先が給料を支払ってくれません。裁判を起こしたいのですが、親の同意なしに裁判を起こすことはできますか。

訴訟の提起

A:
2022年4月1日以降、成人年齢の引き下げにより、18歳であっても、親の同意なしに自分一人で裁判を起こすことができます。

また、裁判を起こすにあたって、裁判費用の準備が難しい場合には、法テラスによる援助という制度もあります。


【婚姻】

Q:
18歳の男性です。交際中の彼女と結婚を考えているのですが、親の同意なしに結婚することはできるのですか。

18歳男性の結婚

A:
現在の民法でも、男性は18歳以上であれば婚姻することができますが、未成年者が婚姻する場合には両親の同意が必要とされていますので、現在の民法では18歳で婚姻するには、両親の同意が必要となります。

もっとも、2022年4月1日以降、成人年齢が引き下げられたことにより、18歳で成人となるため、未成年者が婚姻するということが制度上なくなります。

なお、女性は、現在の民法では、16歳で婚姻が可能とされていますが、民法が改正されて、男性と同じように婚姻可能年齢が18歳に引き上げられます。


【飲酒・喫煙】

Q:
18歳の高校生です。成人年齢が18歳に引き下げられると、18歳であっても飲酒や喫煙をすることができるのでしょうか。

18歳の飲酒や喫煙

A:
飲酒や喫煙は、健康面への影響などから、従来と変わらず20歳の年齢制限があります。そのため、2022年4月1日以降、成人年齢が18歳に引き下げられても、飲酒や喫煙は認められません。


成人年齢の引き下げで何が変わるの?イメージ

南大阪法律事務所 弁護士:西川 大史