2021年 12月27日 : 南大阪法律事務所 弁護士:松尾 直嗣 今年輝いていた3人の若者たち まずは、大谷翔平。言わずと知れた大リーグ・エンゼルスの選手。今年は、「二刀流」で大ブレークし、MVPにも選ばれた。投げる、打つ、走る、そして、人懐っこい笑顔に少年っぽいしぐさ。私は彼のホームベースに滑り込んだあと、大の字になって寝ころんでいたシーンが一番好きだ。彼の前にも大リーグでブレークした人はいた。一人は野茂英雄。彼はあのトルネード投法で、大リーグの強打者相手に、バッタバッタと三振の山を築いた。そして、日本の選手が大リーグに行く道を開いた。もう一人はイチロー。彼は、筋肉モリモリのホームランバッター全盛時代の大リーグに、細身の体で、右へ左へとヒットを打ち、グラウンドを縦横に走り、矢のような送球でランナーを刺した。そんな野球の面白さに目覚めさせてくれた。 そして、大谷は、投げる、打つ、走るなどがどんどん分業化され、サインも複雑になり、少し雰囲気が重くなっていた(?)野球界に、「ひとりで、投げ、打ち、走る」野球を持ち込んだ。さらに良かったのは、いかにも野球を楽しんでいるという雰囲気を体中から発散させていたことだ。みんなに少年野球の楽しさを思いださせたのかもしれない。もちろん、才能もあったろうし、あの体を見ればかなりのトレーニングを積んだこともわかる。しかし、彼はそんなそぶりはほとんど見せず、いつも楽しそうに野球をやっていた。 2人目は、藤井聡太。将棋には8つの大きなタイトルがあるが、彼はすでに4冠だ。私は将棋は弱いが、見るのは好き。そして、大山・升田に始まり、中原、谷川、羽生、渡辺と、様々なトップ棋士の時代も見てきた。しかし、AIがプロ棋士を負かしたというニュースが流れた時には、これからの将棋界はどうなるんだろうなと、少し心配していた。そんな時、藤井聡太が現れたのだ。彼が29連勝で注目を浴びた時は、有望な新人が出てきたな、しかし、そのうちにトップ棋士と対戦するようになったら、壁にぶつかるだろうなぐらいの目で見ていた。しかし、小さな壁はあったものの、彼はどんどん進化し、一気にトップ棋士の仲間入りをしてしまった。 私は、彼が小学生の時に将棋大会で負けて、大泣きに泣いて、司会者が声をかけても、泣くのが止まらなかったシーンが、大好きだ。あんなやさしそうな顔をしているけど、芯はすごい負けず嫌いなんだなと思った。私が将棋に関心を持っている理由のひとつに、人間とAIの関係を考えるうえで、将棋の棋士たちのAIとのつきあい方がすごく参考になることがある。この分野では羽生の貢献が大きいけど、藤井もAIとの付き合いは深そうなので、これからはこの面でも注目していきたい。 さて、3人目は、反田恭平。彼は、今年10月のショパン国際ピアノ・コンクールで、2位に入った。彼は、もうかなり前から、いろんな活躍をしていたらしいが、私は全く知らなかった。彼の名前もこのコンクールで初めて知ったぐらい。 しかし、彼のピアノのタッチはすごく柔らかくて心地よい。ピアノを教えている私の妻に聞いても、「すごいわ。音もいいわ~」とべた褒め。テレビで見ただけだけど、彼のような演奏なら、ずっと聴いていたいなと思った。 テレビで特集番組をしていたので見たが、そこで彼は、クラシック音楽家ももっと世界を広げないといけない、他分野の人らとのコラボなども積極的にやっていきたい、という趣旨のことを言っていた。私は昔から、日本のクラシック音楽家もいいものを持っているのだから、もっと活動分野を広げ、クラシック音楽を庶民の生活の中に根付かせてほしいと思っていたので、彼のこれからの活動には期待したい。 最後にひと言。この3人の共通点。それは、才能も運も人一倍の努力もしているとは思うけど、それは表にはあまり出さない。そして、野球、将棋、ピアノがとにかく好きだという雰囲気を漂わせていること。だから、3人ともいつも楽しそうに見える。そして、見る方も幸せな気分になる。3人ともまだまだ若く、進化の途中だ。これからどれだけ成長し、どれほど大化けしてくれるか、楽しみです。 南大阪法律事務所 弁護士:松尾 直嗣 成人年齢が「20歳」から「18歳」に引き下げられます 弁護士コラム一覧 「パワハラ防止法」が2022年4月から中小企業でも施行されます
まずは、大谷翔平。言わずと知れた大リーグ・エンゼルスの選手。今年は、「二刀流」で大ブレークし、MVPにも選ばれた。投げる、打つ、走る、そして、人懐っこい笑顔に少年っぽいしぐさ。私は彼のホームベースに滑り込んだあと、大の字になって寝ころんでいたシーンが一番好きだ。彼の前にも大リーグでブレークした人はいた。一人は野茂英雄。彼はあのトルネード投法で、大リーグの強打者相手に、バッタバッタと三振の山を築いた。そして、日本の選手が大リーグに行く道を開いた。もう一人はイチロー。彼は、筋肉モリモリのホームランバッター全盛時代の大リーグに、細身の体で、右へ左へとヒットを打ち、グラウンドを縦横に走り、矢のような送球でランナーを刺した。そんな野球の面白さに目覚めさせてくれた。
そして、大谷は、投げる、打つ、走るなどがどんどん分業化され、サインも複雑になり、少し雰囲気が重くなっていた(?)野球界に、「ひとりで、投げ、打ち、走る」野球を持ち込んだ。さらに良かったのは、いかにも野球を楽しんでいるという雰囲気を体中から発散させていたことだ。みんなに少年野球の楽しさを思いださせたのかもしれない。もちろん、才能もあったろうし、あの体を見ればかなりのトレーニングを積んだこともわかる。しかし、彼はそんなそぶりはほとんど見せず、いつも楽しそうに野球をやっていた。
2人目は、藤井聡太。将棋には8つの大きなタイトルがあるが、彼はすでに4冠だ。私は将棋は弱いが、見るのは好き。そして、大山・升田に始まり、中原、谷川、羽生、渡辺と、様々なトップ棋士の時代も見てきた。しかし、AIがプロ棋士を負かしたというニュースが流れた時には、これからの将棋界はどうなるんだろうなと、少し心配していた。そんな時、藤井聡太が現れたのだ。彼が29連勝で注目を浴びた時は、有望な新人が出てきたな、しかし、そのうちにトップ棋士と対戦するようになったら、壁にぶつかるだろうなぐらいの目で見ていた。しかし、小さな壁はあったものの、彼はどんどん進化し、一気にトップ棋士の仲間入りをしてしまった。
私は、彼が小学生の時に将棋大会で負けて、大泣きに泣いて、司会者が声をかけても、泣くのが止まらなかったシーンが、大好きだ。あんなやさしそうな顔をしているけど、芯はすごい負けず嫌いなんだなと思った。私が将棋に関心を持っている理由のひとつに、人間とAIの関係を考えるうえで、将棋の棋士たちのAIとのつきあい方がすごく参考になることがある。この分野では羽生の貢献が大きいけど、藤井もAIとの付き合いは深そうなので、これからはこの面でも注目していきたい。
さて、3人目は、反田恭平。彼は、今年10月のショパン国際ピアノ・コンクールで、2位に入った。彼は、もうかなり前から、いろんな活躍をしていたらしいが、私は全く知らなかった。彼の名前もこのコンクールで初めて知ったぐらい。
しかし、彼のピアノのタッチはすごく柔らかくて心地よい。ピアノを教えている私の妻に聞いても、「すごいわ。音もいいわ~」とべた褒め。テレビで見ただけだけど、彼のような演奏なら、ずっと聴いていたいなと思った。
テレビで特集番組をしていたので見たが、そこで彼は、クラシック音楽家ももっと世界を広げないといけない、他分野の人らとのコラボなども積極的にやっていきたい、という趣旨のことを言っていた。私は昔から、日本のクラシック音楽家もいいものを持っているのだから、もっと活動分野を広げ、クラシック音楽を庶民の生活の中に根付かせてほしいと思っていたので、彼のこれからの活動には期待したい。
最後にひと言。この3人の共通点。それは、才能も運も人一倍の努力もしているとは思うけど、それは表にはあまり出さない。そして、野球、将棋、ピアノがとにかく好きだという雰囲気を漂わせていること。だから、3人ともいつも楽しそうに見える。そして、見る方も幸せな気分になる。3人ともまだまだ若く、進化の途中だ。これからどれだけ成長し、どれほど大化けしてくれるか、楽しみです。
南大阪法律事務所 弁護士:松尾 直嗣