新型コロナウイルスに関する労働相談 事例掲載日:2020年 4月9日 Q 12:会社の経営悪化による解雇 質問・概要 新型コロナウイルスの影響により会社の経営が悪化してしまい、会社から解雇されてしまいました。やむを得ないのでしょうか。 解答・対応 新型コロナウイルスが原因で会社の経営状態に影響が出たことを理由に解雇する場合、労働者に責任はなく、使用者の経営上の理由による解雇ですので、整理解雇の要件を充たさなければなりません。 具体的には、 ①人員削減の必要性(会社の収支や借入状況、資産状況、人件費・役員報酬の動向、業務量、株式配当の動向など)、 ②解雇回避努力を尽くしていること(経費削減、役員報酬削減、新規採用停止、労働時間短縮、希望退職者募集など)、 ③人選基準の合理性、 ④手続の相当性 といった要件を充たさなければなりません。 新型コロナウイルスによる経営悪化があったとしても、これらの要件を検討しなければならず、新型コロナウイルスによって経営悪化したとの理由だけでは整理解雇は認められないでしょう。とくに、雇用調整助成金(新型コロナウイルス 暮らしに関するQ&A Q14)の申請を検討することなく解雇した場合には、解雇回避努力を尽くしたとはいえず、整理解雇が無効になる可能性が高いでしょう。 なお、厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症による影響への対応に当たっては、雇用調整助成金など、政府の支援策を活用いただき、できる限り労働者の雇用の維持に努めていただくようお願いします。」と回答しています(「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」 )。 また、厚生労働省は、2011年の東日本大震災の際に、「震災を理由とすれば無条件に解雇や雇止めが認められるものでは、ありません。また、今回の震災の影響により、厳しい経営環境に置かれている状況下においても、出来る限り雇用の安定に配慮していただくことが望まれます。」とも回答しています(東日本大震災に伴う労働基準法等に関するQ&A、2011年)。新型コロナウイルスの影響による解雇の場合にも、参考になるでしょう。 南大阪法律事務所 —《 その他の法律相談事例 》— Q 13:会社の経営悪化による雇止め 新型コロナウイルスに関する労働相談の事例一覧 Q 11:自主的に会社を休んでも、休業手当を請求できるの?
質問・概要
新型コロナウイルスの影響により会社の経営が悪化してしまい、会社から解雇されてしまいました。やむを得ないのでしょうか。
解答・対応
新型コロナウイルスが原因で会社の経営状態に影響が出たことを理由に解雇する場合、労働者に責任はなく、使用者の経営上の理由による解雇ですので、整理解雇の要件を充たさなければなりません。
具体的には、
①人員削減の必要性(会社の収支や借入状況、資産状況、人件費・役員報酬の動向、業務量、株式配当の動向など)、
②解雇回避努力を尽くしていること(経費削減、役員報酬削減、新規採用停止、労働時間短縮、希望退職者募集など)、
③人選基準の合理性、
④手続の相当性
といった要件を充たさなければなりません。
新型コロナウイルスによる経営悪化があったとしても、これらの要件を検討しなければならず、新型コロナウイルスによって経営悪化したとの理由だけでは整理解雇は認められないでしょう。とくに、雇用調整助成金(新型コロナウイルス 暮らしに関するQ&A Q14)の申請を検討することなく解雇した場合には、解雇回避努力を尽くしたとはいえず、整理解雇が無効になる可能性が高いでしょう。
なお、厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症による影響への対応に当たっては、雇用調整助成金など、政府の支援策を活用いただき、できる限り労働者の雇用の維持に努めていただくようお願いします。」と回答しています(「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」 )。
また、厚生労働省は、2011年の東日本大震災の際に、「震災を理由とすれば無条件に解雇や雇止めが認められるものでは、ありません。また、今回の震災の影響により、厳しい経営環境に置かれている状況下においても、出来る限り雇用の安定に配慮していただくことが望まれます。」とも回答しています(東日本大震災に伴う労働基準法等に関するQ&A、2011年)。新型コロナウイルスの影響による解雇の場合にも、参考になるでしょう。
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