新型コロナウイルスに関する労働相談 事例掲載日:2020年 4月9日 Q 10:緊急事態宣言で会社が休業 賃金(給料)・休業手当を請求できるの? 質問・概要 緊急事態宣言を受けて、会社が休業となりました。会社から自宅待機を命じられたのですが、給料や休業手当を支払ってもらえないのでしょうか。 解答・対応 緊急事態宣言が出されたことにより、休業することになったとしても、労働者に賃金や休業手当が一切支払われないというものではありません。 会社に対する賃金や休業手当の請求についての基本的な考え方は、Q1解答 のとおりです。 賃金や休業手当を請求することができるかどうかは、会社が休業することになった理由や根拠、在宅勤務など他の方法によって勤務することができるかどうかなどによって、結論が異なります。 まず、緊急事態宣言が発令されたとしても、会社が自主的な判断により休業をした場合には、会社の不可抗力とはいえないので、会社に対して賃金全額、少なくとも休業手当を請求できるでしょう。 また、都道府県対策本部長は、感染予防の対策の実施のために、事業の自粛などの協力の要請をすることができます(特措法24条9項)。緊急事態宣言がなされれば、都道府県知事は、学校、社会福祉施設、多数の人が利用する営業施設に対して、営業停止を要請や指示することができ、要請・指示したことを公表することができます(特措法45条)。 都道府県知事からの休業の要請・指示を受けた場合であっても、在宅勤務が可能である場合、他の店舗で仕事ができる場合、他に就くことができる仕事がある場合などは、会社に対して、少なくとも平均賃金の60%以上の休業手当を請求することができるでしょう。 厚生労働省も、①休業の原因が事業の外部より発生した事故であること、②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること、という要素をいずれも満たさない限り、休業手当の支払が必要だと回答しています(「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」)。 おそらく、厚生労働省としては、以下の図表のとおり、使用者が特措法に基づいて営業を自粛するよう協力依頼や要請などを受けた場合であっても、使用者として休業を回避するための具体的努力(たとえば、在宅勤務が可能か、他に就かせる業務がないかなど)を最大限尽くしていない限り、休業手当の支払が必要だと考えているようです。 他の勤務方法・他の職務に就くことが可能 他の勤務方法・他の職務に就くことが不可能 自主的に休業 休業手当60%以上 休業手当60%以上 特措法24条の協力要請 休業手当60%以上 請求できない 特措法45条の要請・指示 休業手当60%以上 請求できない 南大阪法律事務所 —《 その他の法律相談事例 》— Q 11:自主的に会社を休んでも、休業手当を請求できるの? 新型コロナウイルスに関する労働相談の事例一覧 Q 9:新型コロナウイルスへの感染を疑われて自宅待機 賃金(給料)・休業手当を請求できるの?
質問・概要
緊急事態宣言を受けて、会社が休業となりました。会社から自宅待機を命じられたのですが、給料や休業手当を支払ってもらえないのでしょうか。
解答・対応
緊急事態宣言が出されたことにより、休業することになったとしても、労働者に賃金や休業手当が一切支払われないというものではありません。
会社に対する賃金や休業手当の請求についての基本的な考え方は、Q1解答 のとおりです。
賃金や休業手当を請求することができるかどうかは、会社が休業することになった理由や根拠、在宅勤務など他の方法によって勤務することができるかどうかなどによって、結論が異なります。
まず、緊急事態宣言が発令されたとしても、会社が自主的な判断により休業をした場合には、会社の不可抗力とはいえないので、会社に対して賃金全額、少なくとも休業手当を請求できるでしょう。
また、都道府県対策本部長は、感染予防の対策の実施のために、事業の自粛などの協力の要請をすることができます(特措法24条9項)。緊急事態宣言がなされれば、都道府県知事は、学校、社会福祉施設、多数の人が利用する営業施設に対して、営業停止を要請や指示することができ、要請・指示したことを公表することができます(特措法45条)。
都道府県知事からの休業の要請・指示を受けた場合であっても、在宅勤務が可能である場合、他の店舗で仕事ができる場合、他に就くことができる仕事がある場合などは、会社に対して、少なくとも平均賃金の60%以上の休業手当を請求することができるでしょう。
厚生労働省も、①休業の原因が事業の外部より発生した事故であること、②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること、という要素をいずれも満たさない限り、休業手当の支払が必要だと回答しています(「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」)。
おそらく、厚生労働省としては、以下の図表のとおり、使用者が特措法に基づいて営業を自粛するよう協力依頼や要請などを受けた場合であっても、使用者として休業を回避するための具体的努力(たとえば、在宅勤務が可能か、他に就かせる業務がないかなど)を最大限尽くしていない限り、休業手当の支払が必要だと考えているようです。
他の勤務方法・他の職務に就くことが可能
他の勤務方法・他の職務に就くことが不可能
自主的に休業
休業手当60%以上
休業手当60%以上
特措法24条の協力要請
休業手当60%以上
請求できない
特措法45条の要請・指示
休業手当60%以上
請求できない
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